「湿雪」と「乾雪」、これらの言葉をご存知でしょうか。
日常では「湿雪が降る」「乾雪が降る」といった表現が使われることがあります。これらの言葉は時折ニュースなどで耳にすることがありますが、この記事では「湿雪」と「乾雪」の使い分けについて詳しく解説します。
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「湿雪」と「乾雪」の異なる特性
「湿雪」の読み方は「しっせつ」または「しめりゆき」で、意味は「水分を多く含んで濡れている雪」です。
一方、「乾雪」の読み方は「かんせつ」または「かわきゆき」で、意味は「水分が少なくて潤いがない雪」です。
「湿雪」と「乾雪」はお互いに反対の意味を持つ言葉です。
これらの違いを具体的に説明すると、
「湿雪」=雪が重く、気温が高いときに降りやすく、また、溶けやすい性質があります。
一方、「乾雪」=雪が軽く、気温が低いときに降りやすく、また、溶けにくい性質があります。
このように、「湿雪」と「乾雪」はそれぞれ異なる特性を持ち、気象条件や地域の気候によって降る雪の性質が変化することがあります。
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「湿雪」の意味・読み方と特徴
「湿雪」は、「しっせつ」または「しめりゆき」と発音し、時に「しめ雪」とも表記されます。
漢字の「湿」は音読みで「シツ」、訓読みで「しめる・しとる」と読まれ、「しっとりすること」を指します。一方、「雪」は音読みで「セツ」、訓読みで「ゆき・そそぐ」と読まれ、「ゆき」を意味します。
「湿雪」の意味は、「水分を多く含んでしっとりしている雪、湿気を帯びた雪」です。
この種の雪は水分が多く含まれており、非常に重い特性があります。そのため、「湿雪」よりも水分や湿気が多く含まれた雪は「みぞれ」と呼ばれます。
「湿雪」は重たくまとまりやすい性質を持っており、雪玉や雪だるま、かまくらを作るのに適しています。
この種の雪は別名「濡れ雪」や「べた雪」とも呼ばれます。
「湿る」の類語には、「濡れる」「潤う」「湿気る」「湿気を帯びる」「湿りを含む」などがあります。
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「乾雪」の意味・読み方と特徴
「乾雪」は、「かんせつ」または「かわきゆき」と読まれます。
漢字の「乾」は音読みで「カン・ケン」、訓読みで「かわく・かわかす」と読まれ、「水分がない状態」を示します。一方で、「雪」は音読みで「セツ」、訓読みで「ゆき・そそぐ」と読まれ、「ゆき」を指します。
「乾雪」の意味は、「水分や湿気が少ない雪」です。
この雪は水気がなく、パサパサでさらさらしています。特に気温が低い状態、特に氷点下のときに降りやすく、北海道などでよく見られます。
「乾雪」は乾燥していて軽い性質を持っており、スキーに適した雪とされます。
別名として「ドライスノー」「パウダースノー」「粉雪」などがあります。
同じ「かんせつ」と読む言葉に「冠雪」がありますが、これは「山やものの上に覆いかぶさるように雪が降ること」を指します。意味が異なるため、注意して区別することが重要です。
「乾く」の類語には、「乾燥」「干上がる」「枯れる」「水分が飛ぶ」「乾ききる」「枯渇」などがあります。
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乾雪と湿雪とではどっちが積もりやすい?
乾雪と湿雪の中で、積もりやすいのは乾雪です。
「乾いている」か「湿っている」かの根本的な違いは、雪の中に含まれる水分です。
乾いている雪は、その名の通り水分が少なく、積もっても風で飛ばされるほど軽く、主に粉雪です。一方、湿雪は水分を含んでおり、しっとりと重たい雪です。
飛ばされるという意味では、乾雪のほうが積もりにくいのではないかと思いがちですが、乾雪と湿雪には水分以外にもうひとつ大きな違いがあります。
それは気温です。
気温が氷点下になると、雪の中の水分が少なくなり、乾雪になります。これはつまり、乾雪は湿雪に比べて溶けにくいということです。
湿雪は0度や1度くらいの温暖な気温でも降りますが、乾雪は気温がマイナスの地域で降る雪です。
例えば、冬の室内でアイスを放置すると溶けてしまいますが、冷凍庫にあるアイスは溶けません。同様に、湿雪はプラス気温を前後する地域では日中に溶けやすく、水として残りにくいですが、乾雪はマイナス気温を前後する地域で積もりやすい雪となります。
乾雪はマイナス気温を前後する地域で降り、雪が地表に残りやすい状態が続きます。降るたびに積もっていくので、積もりやすい環境になります。
乾雪も湿雪も大量に降れば積もりますが、一度積もると注意が必要なことも増えてきます。それでは、具体的にどのような心配事があるのかを比較しながら見ていきましょう。
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雪道上の乾雪と湿雪、どっちのほうが厄介?
雪が積もると、雪道でのトラブルは大きく2つに分かれます。
風が強い時
上から踏み固められている時
風が強い時
風が強い時は、乾雪が積もった場合が厄介です。風が強いと視界が奪われ、雪が地吹雪となって危険な状況が生じます。乾雪は水分が少なく、風に乗りやすい性質があります。そのため、湿雪と比べて乾雪は積もった後でも風で舞い上がり、注意が必要です。
上から踏み固められているとき
上から踏み固められている時は、経過時間によりますが湿雪のほうが厄介です。湿雪は水分を多く含み、固くなりやすい特性があります。一方、乾雪は風に飛ばされやすく、時間が経てば積雪が減少することも考えられます。しかし、湿雪は一度積もると固くなり、車や人の通行に支障をきたす可能性が高まります。